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さまざまなバイクレースを知ろう
1)MotoGP
MotoGPとは、世界ロードレース選手権のことである。ヨーロッパをはじめ、アジア、オセアニア、中東など世界中を転戦し、年間16〜18戦開催される。第1回大会は1949年6月17日にマン島で開催された。
かつて、最高峰クラスはGP500というクラスで、2ストローク500ccのマシンで争われていた。2002年からレギュレーションが大幅に変更され、最大排気量990cc以下の4ストロークエンジンを搭載したプロトタイプマシンの投入が許可されることとなった。
これと同時に、最高峰クラスはMotoGPクラスという名前で呼ばれるようになり、それまでWORLD GRAND-PRIX(WGP)と呼ばれていた大会自体が、MotoGPと呼ばれるようになった。
2007年現在のMotoGPの開催クラスは、GP125クラス、GP250クラス、MotoGPクラスの3クラスで、それぞれクラス別にレースを行い、各クラスでチャンピオンが誕生する。チャンピオンの決定方法は、各大会で優勝者から順に25、20、16、13、11、以下1ポイントまで、15位のライダーにまでポイントが与えられ、年間合計で最多ポイントを獲得したライダーが、チャンピオンとなる。
MotoGPで使用されるバイクは、市販車の改造ではなく、ベース車両は持たないプロトタイプマシンである。レースのために特別に開発された、各メーカーの技術を結集したマシンだ。
MotoGPのシリーズ放送は、1990年に初めてテレビ大阪が行った(当時の呼称は、WGP)。生中継ではなく、レース日の翌日、月曜日の深夜にGP500クラスを中心に放送した。1991年からは、有料放送ながら、日本衛星放送(WOWOW)も全戦、全クラス放送することとなり、1998年まで、地上波でテレビ大阪、衛星放送でWOWOW、というように、2局で放送された。
1993年、前年の全日本チャンピオン原田哲也が、GP250シリーズチャンピオンを獲得したのだが、チャンピオン争いは最終戦のFIM GPまでもつれた。その1993年のFIM GPのテレビ放送で、テレビ大阪とWOWOWの放送ブースが隣同士であったがために、テレビ大阪のアナウンサーが興奮して実況する音声が、WOWOWの音声に飛び込むというハプニングもあった。
1998年から、衛星中継はWOWOWからNHK BS-1に移り、その後テレビ大阪も撤退したので、テレビ中継はNHK衛星のみとなった。
2007年現在は、NHK BS-1もすでに撤退しており、地上波では日本テレビが放送しているが、これは関東ローカルのみの放送で、全国ネットでは有料放送の日テレG+が独占放送する形となっている。
日テレG+は、モータースポーツのほかに、野球、サッカー、プロレスを放送するスポーツチャルネルで、視聴するには、SKY PerfecTV!の「スカパー!」か、「e2 by スカパー!」に申し込む必要がある。この他、ケーブルテレビでも視聴できる。
2)鈴鹿8耐
鈴鹿8耐とは、例年7月の最終日曜日に鈴鹿サーキットで開催される耐久レースで、FIM世界耐久選手権シリーズの中の1戦である。1台のマシンを、通常は2人のライダー(世界耐久選手権年間エントリーチームは3名登録できる。)が乗り継ぎ、8時間経過時点でどれだけ長い距離を走ったかを競うレースである。午前11時30分にスタートし、午後7時30分の夕闇のチェッカーを目指す。
鈴鹿8耐の歴史は、1978年に始まる。耐久レースは、1974年のオイルショックの影響で、ガソリンを浪費するという理由で休止されていた。それまでは全日本ロードレースの1戦として、10時間耐久や12時間耐久レースが毎年開催されていたのだ。そして3年間の休止、1977年の6時間耐久の開催を経て、鈴鹿8時間耐久ロードレースは第1回大会が開催される。
以来「8耐」の愛称で呼ばれ、スプリントレース並みの速さで周回しなければ、優勝争いできないことから、「スプリント耐久」の異名を持つこととなる。
鈴鹿8耐のスタートは、ル・マン式である。ル・マン式スタートとは、エンジンをかけていない状態のマシンをコースの片側に並べ、スタートの合図で、ライダーが反対側から駆け寄り、エンジンをかけてスタートするというもの。スタート前10秒を切ったら、シグナルタワーの残り秒数にあわせて実況アナウンサーと観客がカウントダウンするのが通例である。
ル・マン式スタートの手順は、次のとおり。スタート1分前になったら、スタートライダーはコースの反対側、自分のマシンの正面に立つ。(マシンは、スタンドはかけずに、ひとりが支える。通常は、セカンドライダーによって支えられている。)スタートの合図とともに、ライダーは自分のマシンに駆け寄り、エンジンを始動させてスタートする。このとき、エンジンは、スタートライダーがひとりで始動させなくてはならず、外部からの援助は一切禁止されている。
3)モトクロス
財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)の定義によると、モトクロスとは、「走路面に凹凸、急勾配、走路方向が急変するような地形のところで行われるクロス・カントリーレース」であるとされている。つまり、未舗装の周回コースでスピードを争う二輪レースである。
日本国内すべてのモトクロス公認競技会は、MFJの競技規則に沿って運営される。(世界選手権を除く)モトクロスのコースは、通常、丘陵などの不整地に設けられ、コースの長さは1周を3キロメートル以下とし、追い越し可能なゆとりを持たせたコース幅になっている。また、適切なレーシングコンディションと、安全性が確保されることも条件だ。
モトクロスレースの見どころは、ジャンプ台などの人工的セクションや、起伏に富んだ自然の地形を生かした勾配で、勝負どころもまた同じである。
モトクロスレースは、優勝者が完走した後にチェッカー旗が振られ、フラッグマーシャルが定位置を離れるか、またはマーシャルがコースを一巡すれば、レースは終了である。トップを走行するライダーが、所定の周回数を走りきる前にレース終了のシグナルが出された場合は、その時点でレースは終了となる。
優勝者は、決められた周回数、またはレース時間を、最短時間で完走したライダーである。優勝者以下の順位は、チェッカーを受けて、完走周回数を満たしたライダーの中で周回数の多い順に決まる。同じ周回数の場合はチェッカーを受けた順。チェッカーを受けられなかった場合も、優勝者の75パーセント(少数点以下切り捨て)以上の周回数を走行すれば、完走扱いとなる。途中でリタイヤしたライダーも、75パーセント以上走行で、完走者とみなされる。順位は、チェッカーを受けたライダーのあと、周回数の多い順、同周回数はゴールライン通過順に決まる。
4)エンデューロ
エンデューロとは、自然の地形を生かしたダートコースを舞台に、ライダーの体力と技量を競う種目である。コースは、参加する車両が、どんな悪天候でも走ることができるものでなければならないとされ、全長数十キロにも及ぶ総走行距離は、1日ごと最低50キロと規定されている。
コース設定は、参加するライダーの技量にあわせることができ、8の字型のコースを設定することもできる。オフロードタイプの一般市販車で気軽に参加できることから、趣味として幅広い年齢のライダーに親しまれている競技である。
一般公道を含む競技会の場合、開催地の行政や地元住民の理解は欠かすことができないものであるが、参加者側でも、開催地で適用されている交通法規を準拠することが求められている。また、環境面でも、燃料が地面にこぼれることを防ぐ機材(環境保護マット)などの使用が日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)によって推奨されている。
日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)の競技規則によると、エンデューロのスタートは、与えられたゼッケン番号順にスタートすることとしている。
スタート方法は、次のとおり。各レース日のスタート前に、各ライダーのスタート時刻を正確に表示するスターティングシグナルが提示されるので、シグナル提示後1分以内に、スタートラインでエンジンを始動させてスタートライン前方20メートルの第2ラインを通過しなければならない。スターティングシグナル提示後1分以内に第2ラインを通過できなかったライダーは、10秒のペナルティーが科せられる。
スターティングエリア内のウェイティングゾーンで車両のエンジンを始動させることは禁止されており、違反した場合、失格などのペナルティーを与えられる。また、スタート合図が出される前にスターティングライン上でエンジンを始動させることも禁止で、違反した場合、1分のペナルティーとなる。
エンジン始動は、押しがけ禁止で、キック式、機械式等によって始動しなければならないが、エンジンをスタートしなかったためにペナルティーを受けたライダーは、第2ラインを通過した後は、どのような方法で始動させてもよいことになる。また、第2ラインまでにエンジンが停止してしまった場合は、すぐに再始動させて、スターティングシグナル提示から1分以内に第2ラインを通過すればペナルティは科せられない。
スタートに失敗、またはスタートラインと第2ラインの間でエンジンが停止して、再始動できなかったライダーは、スタートエリアに戻ることはできないので、他のライダーの進路を妨げないように進行方向に車両を押して第2ラインを通過すること。コースインは必ずスタートラインを通過しなければならないとされている。
5)スーパーバイク世界選手権(WSB)
スーパーバイク世界選手権とは、国際モーターサイクリズム連盟(FIM)が主催する世界選手権である。正式名称は、「SuperBiKe World Championship」で、ワールドスーパーバイク、SBK、WSBなどと略される。日本においては、WSBと言われることが多い。
オーストラリア、カナダ、日本、ニュージーランド、イギリス、アメリカなど、多くの国でスーパーバイク選手権が開催されている中で、WSBはその最高峰として位置づけられている。
MotoGPがレース専用開発車で行われるのに対して、WSBは、1,000cc以下の市販公道走行用の車両をレース仕様に改造したものを使用する。スズキGS-X、ヤマハYZF-R1、ホンダCBR、カワサキZX10R、ドカティ999といった、実際に購入することができる市販車をベースにしているので、ヨーロッパでは非常に人気が高い。また、販売促進にもつながるとして、メーカー側にも人気のあるレースである。
併催される大会は、市販スーパースポーツ600ccバイクによるスーパースポーツ世界選手権(WSS)と、スーパーストック1000FIMカップ(ヨーロッパラウンド)、スーパーストック600ヨーロッパ選手権(ヨーロッパラウンド)である。
MotoGPで使用されるマシンが、レース専用開発車であるのに対して、WSBで使用されるマシンは、1,000cc以下の市販公道走行用の車両をレース仕様に改造したものを使用する。外観は市販車とほとんど変わりはないが、徹底的に軽量化される。そして、エンジンは非常に高度なチューンがほどこされ、およそ200馬力という高出力を絞りだすのである。
また、量産車ベースで、4ストローク1,000cc以内のエンジンであれば、シリンダー数の選択は自由であるが、エンジン出力の平均化を図るために、インジェクションに吸気制限を設けるなどのレギュレーションがある。このようなレギュレーションによって、マシンの性能差を少なくし、イコール・コンディションでの戦いを作り出すことができるのである。
WSBは、このように性能差の少ないマシンを駆ることによって、マシンとマシンが接近する、「テール・トゥ・ノーズ」といわれる接近戦が、常に繰り広げられているのである。
日本のメーカーでは、過去に、ホンダ、カワサキ、スズキがチャンピオンを獲得している。
